白石高校七ヶ宿校 卒業式 式辞
グランドから階段をのぼり、校舎の入口から振り返ってみると、青空のもと、不忘山の山頂が白く輝いています。そして足元をみると小さな緑が芽吹き、白石高校七ヶ宿校にも、暖かな春が訪れようとしています。
本日は、七ヶ宿町長 小関幸一様をはじめ、多くのご来賓の皆様をお迎えし、この佳き日に卒業式を挙行できますこと を、心よりうれしく思います。
まず最初に、卒業生の皆さんに質問があります。
高校時代のなかまが一生のなかまになると言われるのはなぜでしょうか?
そう、一緒に過ごす「時間」が友情を育てるのです。
七ヶ宿校では、いつも同じ仲間と過ごしてきました。例えば、修学旅行では、みんなで京都や大阪を訪れました。宮城に帰ってきたとき、以前よりも心の距離が近くなっていたのではないでしょうか。
「わらじで歩こう七ヶ宿」では、みんなで、全コースを歩き切りました。
七高祭では、みんなで協力して、お団子やジュースを販売して、ステージ発表も行いました。
レクリエーション大会では、仲間と共にプレーしました。
そのほかにも、数えきれないほどの行事を通して、同級生や先生方と、多くの時間を共にしてきました。苦楽を共にした仲間、仲間と共に過ごした経験は、くだらないことや、取るに足らないようなこと、そんな小さな出来事ほど、案外、心に深く残るものです。一緒に何かをしたという記憶が、やがて友情となり、これからの人生を支える大切な宝物となっていくのです。
みなさんに質問です。七ヶ宿町の良さは何ですか?
現代社会は、昔と比べて快適な生活になりました。冷暖房完備の人工的に管理された、暮らしの中で、快適さと引き換えに、人として大切なことを忘れがちなのかもしれません。七ヶ宿での日常は自然とともにあります。
川のせせらぎ、
鳥の声、
木漏れ日、
鮮やかな紅葉。
そして、雪の白さ。
こうした自然の営みは、私たちのいろいろな気持ちを、静かに癒してくれるものです。
人として、また生きものとして当たり前の前向きな感情を、自然と取り戻していくのです。
皆さんは、畑づくりにも取り組みましたね。花が咲き、実を収穫したとき、どう思いましたか?
素直な喜びを感じたのではないでしょうか。
スキー教室では、大自然の中で、雪景色のすばらしさや、雪の冷たさを、全身で感じたことと思います。初めてスキーができるようになった時、どう思いましたか?
できるようになると、達成感を感じて嬉しくなるものです。これは大人になってからも同じです。たとえば、初めての仕事を与えられて、やがて出来るようになった時、そして、結果を出した時に、人はやる気になるのです。
また、ダム湖周辺では、チェーンソーで伐採、下草刈りや薪割りといった作業も体験したと思います。体は疲れても、夢中になって取り組んだのではないでしょうか。
働くこと、つまり労働には、一度始めると、つい続けたくなるような、不思議な面白さがあるのです。みなさんは、これらのことを、まさに体で体験してきました。
白石高校七ヶ宿校の生徒たちは、四季の移り変わりを、五感で感じながら、七ヶ宿町そのものを学び舎として、まっすぐに育ってまいりました。
これまで、お子様の成長を温かく見守っていただいた保護者の皆様、卒業生はここまで大きく成長しました。この日を迎えるまで、色々なことがあったことと思います。いよいよ卒業という日を迎えることとなりました。本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
最後に、人生で大切なのは、良い人とのつながりです。しっかりと挨拶ができる七高生は、それだけで、周囲の人と人とをつなぐ存在です。これから社会人となる人、進学する人、それぞれの道は異なりますが、新しい集団の中で、互いに助け合いながら生きていくことになります。
七ヶ宿で過ごした日々を誇りに思い、誰からも信頼される大人として、歩んでいってください。卒業生の皆さんの、今後ますますのご活躍を心より祈念いたしまして、式辞といたします。
令和8年3月1日
宮城県白石高等学校 七ヶ宿校 校長 若林春日