「看護科」は、看護師を養成する課程です 。
白石高校の看護科は、旧・白石女子高校において、昭和42年に衛生看護科としてスタートしました。平成14年より 5年一貫教育 の看護科になり、統合に伴って新しい白石高校に引き継がれました。
白石高校の看護科に入学すると、まず3年間、普通教科の科目とともに看護に関する専門科目を学びます(高校課程)。この3年間の勉強だけでは看護師の資格を取ることは出来ません。
高校課程を卒業後、白石高校の専攻科に進学して2年間の勉強を続けます。こうして、中学校卒業後から5年間の勉強を経て、正看護師の国家試験の受験資格を得ることができます。このように、白石高校の看護科は、5年間の勉強を一貫して行うことができる学校です。15歳で一生就くであろう仕事を決めるということは、並々ならぬ決意がいることだと思いますが、「将来看護師として働きたい」と思っている人にとっては、中学校卒業からの5年間で看護師の資格を取れる最短のコースですから、まさに最適の学科といえます。看護科・専攻科を卒業すれば、将来就職できないということは、まずありません。現に、県内外で活躍している卒業生はとてもたくさんいます。
ちなみに、令和2~4年度の本校卒業生の国家試験合格率は100%です。
5年間で看護師を養成するための学科なので、当然1年生から看護に関する科目を学ぶことになります。病院などでの実習もあります。学年が上がるごとに実習の回数も増えていきます。
校舎の看護科棟には、実習に関する施設設備が充実しています。第1・第2・第3の実習室、ゼミ室、看護図書室などの設備を通して、医療に関する基礎知識・技術を学んでもらうことになります。
なお、普通科の「単位制」とは違って、看護科は「学年制」です。したがって、全ての科目において定められた授業に出席し、合格点を取らなければ、次の学年に進級したり卒業することができないようになっています。
看護科を卒業すると、希望者は2年間の専攻科に進学することになります。専攻科では、かなり高度な看護専門科目を学ぶことになります(数学や英語などの一般教科もあります)。また、1年間の半分は看護臨床実習があります。
※平成28年度より法令(学校教育法等)が改正され、一定の条件を満たす専攻科については、専攻科修了後、大学へ編入学ができるようになりました。
白石高校の専攻科看護科は、条件を満たしているため、専攻科修了後、大学に編入学することで、最短2年間で学士の学位(大学卒業で得られる)が取得できます。
大学への編入学は、こちら をご覧ください。
●看護科の学教育課程表
「教育課程表」とは、生徒が学校で受ける1週間分の授業を一覧表にしたものです。
この表を見ると、1週間にどんな科目の授業が何時間あるかが分かります。
宮城県産業教育高校生作文コンクール 優秀賞 「夢」 看護科 3年 K・H 私には医療現場で働きたいという夢があります。看護師として働くか、どの科に就くか、それとも助産師として働くか、まだぼんやりとしている所もありますが、「医療現場で働きたい」という思いは、はっきりとしたものになっています。それは、この白石高校の看護科への進学を決意したときからの大きな目標でしたが、志望校に入学し3年経った今、その思いはより一層強くなりました。この思いが大きくなっている理由は、看護について学んでいる事への達成感や、学ぶことで夢に近付いているという実感があるからだと思います。中でも、一番大きな理由は、看護臨地実習を経験したことでした。 2年生では機能別実習として、2つの病院で実習をさせて頂きました。初めて実際に患者さんの援助に入らせて頂きました。基本的な援助の技術や、病院の1日の流れ、医療従事者の役割、患者さんとの関わり方など多くのことを学びました。この実習の中で大きな学びとなったのは、患者一人一人に合わせた個別性のある看護の提供とコミュニケーションについてです。患者のADL(日常生活動作)に合わせて、体位を選択し、どのような手順で行うのか、また残存機能を活かした援助をするためには、患者自身にどの場面でどのようなことをして頂くのか、ということをグループのメンバーと確認してから援助を行うことの大切さを学びました。コミュニケーションにおいては、バイタルサイン測定時に確認すべき症状、援助を通して不快感の有無を確認すること、援助前に患者さんに伝わりやすい説明をすることを実際に実施することで身に付けることができました。この実習を通して、現場で働く看護師や指導をしてくださった指導者さん、先生方への憧れが大きくなりました。そして、援助をさせて頂いた患者さんから「頑張ってね」「ありがとう、すっきりしたよ」などという言葉をかけて頂いたことで、看護学生の私でも少しは役に立てたのかもしれないと思い、とても嬉しい気持ちになりました。憧れと喜びが私の夢への想いを大きくさせた理由だと思っています。 また、今年度の実習は、私にとって少し思い入れのあるものとなりました。高校3年生の実習は受け持ち実習ということで、記録の取り方や患者との関わり方、観察するべきことを患者に確認することなど、機能別実習とは捉え方や着眼点が違う部分が多かったです。さらに、7月の実習はコロナ渦ということもあり病院での実習は行えず、校内実習という形で行われました。この時に改めて病院で実際に患者さんと関わり、援助させて頂くことがあたり前ではないのだと感じました。限られた環境の中でしたが、自分も患者役を経験することで看護者として援助する時には、なかなか気が付くことが出来なかった点に気付くことが出来たのは、大きな学びだと思いました。 この実習がなぜ、私にとって思い入れのあるものとなったのか。それは、今年度の実習を通して、自分はどの様な医療従事者になりたいのか、という思いが固まったからです。今年の実習は、受け持ち実習で情報収集が重要です。カルテからの情報だけではなく、患者に質問をして教えて頂かなくてはならない情報も多くあり、そのためには、コミュニケーション力が必要不可欠です。質問ばかりの一方的な会話をするだけでは、患者との信頼関係を築くことはできず、患者に不信感を抱かせることさえあるかもしれません。この点に着目したのは、コミュニケーションを通しての情報収集の仕方にとても悩んだためでした。グループのメンバーと話の流れの中で自然に質問を組み込んでいこうと決めて実践してみましたが、話の流れの中で質問するだけで一方的な会話になってしまうことに変わりはありませんでした。そこで、先生に相談すると、患者さんへの質問を意識し過ぎずに、まずは日常会話の中で患者さんの好みなどを知っていくこと、自分の話も組み込みながら会話をすることが大切だと教えて頂きました。学びを活かして会話を展開していくと、症状の有無だけではなく、患者さんが不安に思っていることや悩みについても知ることができました。その情報について、アセスメントを行ったことで、患者にとってどんなことがストレスとなり、負担となっているのか、それが今後どのようなことに繋がっていくのか、気分転換やストレス解消にはどのような方法があり、患者さんに適しているのは何かなど、精神的なケアに繋がっていくことに気が付きました。そして、患者さんにとって入院や治療は大きなストレスや不安がつきまとうものだということを改めて実感しました。患者が前向きに治療に臨むためには、マイナスな考えや不安な気持ちを少しでも軽くすることが必要であり、そのためには、不安や悩みを打ち明けられる相手が必要だと考えました。そのように考えた時に「私がその相手になりたい」と思いました。中には、家族や近しい人にしか話せないようなこともあると思います。しかし、看護師が相手だからこそ話しやすいこともあるのではないかと考えました。もちろん、これは信頼関係を築いた上での話にはなりますが、精神的な面でも患者を支えられるような人になりたいと強く思いました。 今の私の夢は、技術面はもちろん、精神面でも患者を支え、心にも寄り添えるような医療従事者になることです。今年度の実習で私の夢がまた少し具体的なものになり、夢を叶えたいと思う気持ちも強くなりました。技術についても怠ることなく、患者と関係構築し、精神面の支援をすることは簡単なことではないと思います。患者のコミュニケーション能力も様々で一人一人違い、意思疎通が上手く出来ない事や、返事の仕方に困る事も多くあると思います。人間同士の関わり方にはっきりとした答えはありません。コミュニケーション力もさらに身に付けて、磨いていかなくてはなりません。忙しさや上手く出来ない事への悔しさ、もどかしさから自分自身の心が折れてしまいそうになることも沢山あるはずです。それでも、挫けることなく、自分の夢を叶えるため、強い気持ちを胸に進んで行きたいと思います。(令和2年9月)
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(凡例) 高:高校課程 専:専攻科課程 Ⅰ:1年 Ⅱ:2年 Ⅲ:3年
月 | 摘要 |
4 | 専Ⅱ:実習(~9月) |
5 | 高1・2・3:看護科交流会 |
6 |
専Ⅱ:病院実習就職説明会 |
7 | 専Ⅰ:解剖実習 |
高3:実習 | |
専Ⅱ:国家試験説明会 | |
9 | 高1・2・3:看護科進路講演会 |
10 | 専Ⅰ:実習(~1月) |
高3:実習 | |
11 | 高3:専攻科説明会 |
12 |
高3:実習 |
高2:実習 |
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専2:ケーススタディ発表会 |
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2 | 高2:実習 |
3 | 高1・2・専1:修了生講話 |