開校式・入校式・入学式・専攻科入学式における 学校長の挨拶・式辞
宮城県白石高等学校開校式 学校長挨拶
 本日ここに、宮城県議会議員の安藤俊威(あんどうとしたけ)様、須藤 哲(すどうさとし)様、佐々木敏克(ささきとしかつ)様、村上智行(むらかみともゆき)様、高橋伸二(たかはししんじ)様、白石市長 風間康静(かざまこうじょう)様をはじめ、多くの御来賓の皆様の御臨席を賜り、開校式を挙行できましたことに、深く感謝申し上げる次第です。
 只今、県教育委員会から開校宣言があり、それに続きまして校旗を拝受し、ここに宮城県白石高等学校が開校いたしました。
 これまで本校の開校に向けて御尽力いただきました、白石高校、白石女子高校、両校の同窓会、PTAをはじめとする学校関係者の皆様、白石市及び柴田・刈田郡内各町の行政当局の皆様、また御支援・御協力をいただいた地域の各方面の関係の方々に対しまして、改めて御礼を申し上げます。
 また、県当局におかれましては極めて厳しい財政状況の中を、かくも機能的で充実した校舎の建築とともに、学習環境の整備に特段の御配慮を賜り、深く感謝申し上げます。
 本校は、進学重視型単位制普通科と県内唯一の五年一貫教育看護科からなる全日制に、昼間定時制の七ヶ宿校が併設された仙南の一大拠点校として出発しますが、保護者や地域の皆様はもとより、広く県内全域及び福島県北エリアも含め、多くの方々からの本校にお寄せいただいている期待の大きさと、我々に課せられた責務の重さに、教職員一同身の引き締まる思いであります。
 これまで白石高校と白石女子高校がこの地で果たしてきた大きな役割と、それぞれの長い歴史の中で築き上げてきた豊かな歴史と伝統を継承・発展させて、「二十一世紀の社会を担う人材育成」という教育目標を学校の使命として掲げ、「心身ともに健全で、地域社会及び国家に貢献するとともにグローバルな視点に立って地球社会をリードできる有為な人材を育成する」ことに邁進してまいります。
 我々教職員一同、統合共学化されました新白石高校で生徒諸君とともに新たな校風と歴史を築いていくために全力を尽くす覚悟であります。
 皆様には、今後とも本校への御支援を賜りますようお願い申しあげまして、挨拶といたします。

 平成二十二年四月八日
宮城県白石高等学校 校長 千田芳文

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宮城県白石高等学校入校式 学校長式辞
 春の光に不忘の残雪がまぶしい本日ここに、晴れて開校となった宮城県白石高等学校の入校式を挙行できますことは、教職員一同大きな喜びとするところであります。

 御臨席を賜りました宮城県教育委員会の勅使河原正樹(てしがわらまさき)委員殿をはじめ、多くの御来賓の皆様には、ご多用のところを生徒諸君のために御出席をいただき、心より感謝申し上げます。

 本校は創立以来百十年の歴史を誇る男子校の白石高校と、九十九年の伝統ある白石女子高校の再編統合により、県内唯一の五年一貫教育の看護科も併設した男女共学校として、新たな歴史を歩むことになったのですが、この統合も新校舎建設も一朝一夕にしてなったものではなく、ここに至るまでは長い歳月と実に多くの方々の御努力と叡智の結集がありました。
 思い起こせば、九年前の平成十三年に全県立高校の共学化等のビジョンが盛り込まれた「県立高校将来構想」が策定されたところから、今日に至る歩みが始まったと言えましょう。
 平成十五年には県教育委員会から両校統合の打診がなされ、以来、両校の同窓会では統合問題の委員会も設置されて、二年以上もかけて様々な議論や県当局との交渉が数多く重ねられたことが残された膨大な記録からも伺われます。
 また、その間には白高定時制を閉講して大河原商業高校定時制と統合させる問題や、統合校となった場合どのような高校を目指すのかと言う基本構想や、新校舎建設をどうするのかといった課題にも多くの方々が関わり、平成十七年度末にようやく大筋での方向性が定まりました。十八年度からは両校関係者や地元自治体・有識者を委員とした「白石地区統合対象校基本課題検討会議」が設置されて、まさしく新しい学校を方向付ける基本的な課題に関する熱心な協議が進められました。
 学校名、校訓、校章、校歌、そしてスクールジャケットに関わることまで、様々な議論が交わされ、校章は広く一般公募で全国から寄せられた 二百十四点の応募作品の中から選ばれ、また校歌は歌詞・原曲ともに白高・白女関係者を対象とした作品募集から選考されたものですが、歌詞は白高OB、原曲は白女OGの作品という組み合わせで素晴らしい校歌が誕生しました。のちほどの混声四部合唱でその校歌を御披露申し上げますが、まさしく白高と白女高の高い次元での統合の象徴と申し上げてよいと思います。
 両校教職員も、当初は二校会議という組織で、やがて開設準備委員会という体制で、新しい学校の教育体制や教育目標・方針といった根幹部分から、具体的でこまごまとした物品類まで整備を進めてきました。
 一方、ハード面整備においては、新校舎が旧白高第二グラウンドだったこの地に建設されることに決まってからは、基本設計・実施設計が着々となされ、平成二十年十一月工事が着工し、一年半をかけて今年二月二十四日竣工しました。
 ちなみに、その設計段階では、当時の両校の在校生諸君が自分達の後輩のためにと、施設の使い勝手や快適性を検討するワークショップを行い、その意見やアイデアも設計に反映されて、こうした素晴らしい施設が出来上がったのです。
 ひとつ残念なことは、こうして多くの方々の知恵と力のコラボレーションで開校を迎えることができた、その最後の段階での施設内空気検査結果で、この体育館での検査数値が基準値を上回り、ご心配をお掛けする事となったことです。
 すでに様々な対策を講じ、県当局の総合的な検討結果から、本日の式典の会場として使用してよろしいという判断を頂いております。
 このように館内の換気に配慮してお寒い思いをさせまして申し訳ありませんが、学校が始まってからも、出来る限りの配慮と対策を講じていくこととしております。

 さて、式辞の結びとして、改めて本校の教育目標や方針について生徒諸君に申し述べておきたいと思います。

 本校では、新白石高校の教育を実践していくに当たって、「志操凛風 進取創造 自彊不息」を校訓とし、教育方針として全日制普通科では「新時代を切り拓くリーダーの育成」、看護科では「自覚と誇りある専門識者の育成」、七ヶ宿校では「地域社会に貢献できる有為な人材の育成」ということを掲げています。
 またそれを実現していくための指導方針として、全日制では「自律・能動の精神と生活態度の涵養」「質の高い授業と確かな学力の保証」「自ら学び、啓発し探究する力の育成」という三本柱を掲げ、また七ヶ宿校では「基礎学力向上と豊かな人間性の育成」ということを打ち出しています。
 生徒諸君には、まず校訓の意味をしっかりと理解してもらい、またそこに込められた「凛とした心と姿勢を保ち、チャレンジ精神旺盛で、自らを鍛えることを惜しまない」といった趣旨を、これからの学校生活で実践してほしいと思います。
 我々教職員も、共学となったことを学校の力に変えて、新白石高校の一回生・二回生となる生徒諸君の一層の成長と、一人ひとりの進路実現のために、全力を挙げて取り組んでいく決意です。
 本日御臨席の皆様には、なお一層の御支援と御協力を、本校に対して賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。

 平成二十二年四月八日
宮城県白石高等学校 校長 千田芳文

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宮城県白石高等学校入学式 学校長式辞
 皆さんの新白石高校への入学を待っていたかのごとく、桜や白木蓮など益岡一帯の花々が開き始めました。
 ここに、風間康静(かざまこうじょう)白石市長様はじめ多数のご来賓と保護者各位のご臨席を賜り、平成二十二年度入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同、大きな喜びとするところであります。
 ただ今、入学を許可しました全日制普通科及び看護科並びに定時制課程七ケ宿校の、合わせて二九七名の新入生の皆さん、白石高校入学おめでとうございます。また、今日まで限りない慈しみをもってお子様の成長を支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。
 
 さて、新入生の皆さんは、男女共学の統合新白石高校第一回入学生として、これから新たな校風や伝統の創造の担い手となっていくのですが、統合前の男子校の旧白石高校は一八九九年、明治三十二年に創設されて、昨年度で百十年の歴史を積み重ねてきた学校ですし、一方、旧白石女子高校も一九一一年、明治四十四年創立で昨年度で九十九年という県内有数の輝かしい伝統校でした。
 本校は、これまでその両校が担ってきた大きな役割や期待を継承し、更に発展させていくべき使命を持った学校なのです。
 また、第二次大戦後の新しい学校制度のもとでは、旧白高と旧白女高にそれぞれ四つずつの定時制の学校が設置されていたのですが、統合や独立で、現在、昼間定時制の七ヶ宿校が白石・刈田地区では唯一の定時制となりました。七ヶ宿校はその意味でも仙南地域での大事な社会的役割をこれからも担っていく学校なのです。

 さて、これだけの期待と使命を背負っている白石高校ですが、諸君がその一員として充実した高校生活を送ってもらうために、本校の校訓に基づいて話をしておきたいと思います。
 校訓は「志操凛風・進取創造・自彊不息」の三本柱で構成され、校歌の一番から三番の歌詞にもその三つの校訓が歌いこまれています。
 一つ目の「志操凛風」は、高い志と豊かな情操を備え、凛然としていること、すなわち心も行いもきりりと引き締まって、またしなやかに周りをつつみ込むような器量を持った人格を育んでいこうということです。
 二番目の「進取創造」は、本来の真摯勤勉な資質に加え、能動的で創造性あふれる気概と展望をもって新しい時代を切り拓き、広く世に貢献できる有為な人となることを目指していこうということです。
 そのためには、これは新入生に毎年言っていることですが、高校というところは、巣の中の雛鳥のように、誰かが餌を与えてくれるのを口を開けて待っているようなところではない。自分で羽ばたいて餌を探し、生きていく道を見つけ出すための、そのやり方を学び、生きる知恵と力を身に付ける訓練の場所なのだということです。
 そして三つ目の「自彊不息」ですが、元々この言葉は。古代中国の「易経」という古典の中にある、「天行健なり、君子以って自彊して息まず」という一節に由来しています。
 その意味は「天の運行は健やかで、一刻も休むことがない。君子もそれにのっとって、自ら努めてやむことのない努力をしなければならない。」ということです。
 即ち、「誠実に、たゆまず自分で自分を磨き鍛える」ということです。
 校歌の三番に「いざ眦を高く上げ、自彊やまざる気概(こころ)もて」という歌詞があります。
 眦つまり目尻をきりりとあげて、高きを目指し、自ら学び、自ら問いかけ、心と体を逞しく鍛える努力を惜しまない、そんな白高生であってほしいと願っています。

 保護者の皆さま、只今申し上げましたような、本校の校訓や教育方針につきまして、よろしくご理解とご支援をいただき、また、高校時代は社会的自立に向けた厳しい訓練期間と捉えて、学校と連携をとりながら子ども達を見守り支えていただきますよう、お願い申し上げます。

 なお、もう一つ付け加えさせて頂きますと、新聞報道等ですでにご存じと思いますが、校舎が新築間もないと言うことで、施設内空気検査の結果でこの体育館での検査数値が基準値を上回り、ご心配をお掛けする事となりました。お配りした文書にも記載のとおり、すでに様々な対策を講じ、県当局の総合的な検討結果から、本日の式典の会場として使用してよろしいという判断を頂いてはおります。
 ただ、このように館内の換気に配慮してお寒い思いをさせまして申し訳ありませんし、学校が始まってからも、出来る限りの配慮と対策を講じていくこととしておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 私たち教職員一同、生徒達それぞれの夢の実現に向けて最善を尽くして参りたいと思います。
 明るく健やかで、充実した学校生活がこれから繰り広げられるであろうことを期待しまして、入学に当たっての式辞といたします。

 平成二十二年四月八日
宮城県白石高等学校 校長 千田芳文

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宮城県白石高等学校専攻科看護科入学式 学校長式辞
本日ここに、公立刈田総合病院院長の高林俊文(たかばやしとしふみ)様並びに大泉記念病院院長の松本 純(まつもとじゅん)様はじめ、多数のご来賓と保護者各位のご臨席を賜り、この充実した施設・設備が整った新しい校舎において平成二十二年度専攻科看護科入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同、大きな喜びとするところであります。
 三年間の高校課程を終えて、決意も新たに専攻科に入学するというこの節目も、学校自体が大きな変化を迎えた今年の場合は、殊更に気持ちが引き締まっているのではないかと思います。
 先程挙行されました高校課程の入学式におきましては、看護科新入生に初めての男子学生が入学してまいりました、これも大きな変化を物語る象徴の一つかと思います。
 さて、本校看護科においては「専攻科を有する県内唯一の男女共学高校看護科として五年一貫教育を通じて保健・医療・福祉の充実発展に貢献できる人材を育成する」ということを教育方針として掲げていますが、更に専攻科においては「看護職に必要な理論と実践能力の修得を通して、豊かな人間性を養い、保健・医療福祉の充実及び発展に貢献できる看護職に従事する人材を育成する」という方針を謳っています。
 ここには人の命を預かる専門職としてのしっかりとした能力・技能と高い人格・倫理観をこの二年間で身につけてもらいたいという願いが込められています。
 実は、このたび新たに制定された校歌の歌詞の二番は、校訓の二つ目の「進取創造」の理念が謳いこまれていますが、それと同時に、「易らぬ生命尊きと、新たなときの理想をば、常に求めて創りゆく、我らの業を称え友」という歌詞には、医療ニーズも技術もどんどん変化し高度化していく流れの中で、本校看護科に学ぶ生徒たちがそれにしっかり応えていってほしい、そしてそれが可能な生徒諸君であるはず、という思いも込められて作詞されたということを、作詞者の長谷川精一先生から伺っています。
 二年間というのは本当にあっという間の短い期間ですが、医療現場での本格的な実習が多くなり、次々と学び身につけていかなければならない専門知識や技術も膨大な量となり、そして自らのテーマに基づくゼミ研究もあり、ということで時間との戦いとも言えるかと思います。

 でもそうした限られた時間、せっぱ詰まった時間で物事を正確・的確に処理することが実際の臨床現場で求められる能力でしょうし、そうした中にあっても対人コミュニケーションを疎かにしない人間的キャパシティを磨いていく、そんな二年間であってほしいと願っています。

 保護者の皆さま、専攻科生はこれから専門職の社会人となる訓練期間に入る訳で、もう大人の扱いでいいのでしょうが、申したように今までにも増して大変大事で大変な期間です。学校と連携をとりながら子ども達を見守り支えていただきますよう、お願い申し上げます。


 平成二十二年四月八日
宮城県白石高等学校 校長 千田芳文

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