白石高校には、旧制白石中学校時代から歌われている凱歌(がいか)・応援歌 や、角田高校との定期戦で歌われるようになった歓喜の歌・勝利の歌といった、伝統の歌があります。
凱歌は、定期戦などで白石高校が勝利したときに歌われる歌です。昭和6年に制定されました。
沿革 この曲は、大正14年に作曲された旧制第二高等学校(現在の東北大学)の第三部応援歌「流れし一年」から作られました。当時の旧制第二高等学校は、一部(後の文科)、二部(後の理科甲)、三部(後の理科乙)と分かれ、それぞれの部ごとに数多くの応援歌や凱歌・記念歌がありました。このうち第三部応援歌「流れし一年」は、 当時学生であった森島一郎氏によって作曲された三拍子の曲でしたが、白石中学校の応援団によって歌われるようになると、旗の動きに声を合わせて長く語尾をのばして歌われるように変化して、一節ごとに四拍子と三拍子が入り混じった変拍子になってしまい、メロディの上下も歌いやすいように変化したのだそうです。
凱歌 |
一、暁雲に 瞬く星に
静かに夢みる 不忘の姿 川面吹き来る 風の音(ね)冴えて 朝(あした)の空に 轟く声を ああ聴けその声 忍苦の叫び 沸り立つ 我等が血潮の叫び 二、戦(たたかい)終わりて 覇権を握り
我等が今起つ 懐かしの岡 暮色蒼然 あたりをこめて 不忘の峰に 星影白し 干戈(かんか)の音ぞ 今かすかにて 淋しくも鐘の音 胸をかすめゆく |
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第一応援歌は、文字通り白高を応援する場面で歌われる歌です。同じく昭和6年に制定されました。
沿革 この曲は、旧制第二高等学校(現在の東北大学)の寄宿舎である「明善寮応援歌」のメロディを借用し、遠藤恒彦氏が新たに歌詞を考えることによって、「白石中学校第一応援歌」となったものです。もと歌の作曲年代ははっきりしませんが、大正時代の終わり頃と考えられています。作曲者は、旧制第二高等学校の学生である鶴見憲三氏です。
第一応援歌 |
一、いざ起て友よ 時ぞ今
若き我等の 意気をもて 母校の為に 戦はん 母校の為に 戦はん 二、ああ起て友よ 時ぞ今
死して後已む(のちやむ) 意気をもて 母校の為に 戦はん 母校の為に 戦はん |
>> 楽譜(pdf形式) (出典:『白高百年史』) |
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第三応援歌も、白高を応援する場面で歌われる歌です。同じく昭和6年に制定されました。
沿革 この曲は、旧制白石中学校時代に歌われていたと言われていますが、いつの間にか、その存在が忘れられていました。そのため現在では作詞・作曲者が誰なのか、どのような機会に歌われたものなのか、はっきりしなくなってしまいました。しかし戦後、和泉常夫教諭(後の第20代校長)が発掘し、「第三応援歌」として昭和30年ごろから再び歌われるようになって、現在に至っています。
第三応援歌 |
一、益岡の
緑は萌えて 若人の 勝利を賭くる 時は来ぬ 二、選手らよ、
最善尽くし 栄光の 勝利をめざし 進み行け |
>> 楽譜(pdf形式) (出典:『白高百年史』) |
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試合の最中に見方を激励し、相手の戦意を消沈させようとするとき等に歌われます。対角田定期戦が始まった昭和38年ごろから歌われるようになりました。
沿革 もと歌は、日露戦争が起こった明治37年に作られた「征露の歌」です(作詞:青木得三/作曲:永井建子)。スキップのリズムに乗せて20番まで続く長編叙事詩として、当時は国民の戦意昂揚に大きな役割を果たしました。同じメロディに加藤明勝が新たに作詞し、第二次世界大戦のころには「歩兵の本領」としても歌われていたので、広く知られています。メロディが覚えやすく軽快なためにいろいろな替え歌が生まれたのです。
歓喜の歌 |
一、 ああ 愉快なり 愉快なり
白高健児 愉快なり ああ 愉快なり 愉快なり ああ 愉快なり 愉快なり 二、 ああ 哀れなり 哀れなり 〇〇高校 哀れなり ああ 哀れなり 哀れなり ああ 哀れなり 哀れなり 三、白高健児の 意気は燃え
我等熱血 滾る(たぎる)とき 魑魅魍魎(ちみもうりょう)も 影潜め 我等勝利に 進み行く 四、質実剛健 掲げつつ ここ益岡に 迎え討つ (臥牛が岡に 雪崩入る) あらゆる困苦 打ち砕き 今日この日まで 耐え来たり |
>> 楽譜(pdf形式) (出典:『白高百年史』) |
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勝利者を祝福し、応援団が円を描いて走りながら歌う歌です。対角田高校定期戦が始まった昭和38年から歌われています。
沿革 もと歌は、旧制第二高等学校の「対高工野球戦凱歌」として大正11年に作曲されました(作詞:湊勇雄/作曲:閑歳俊雄)。本校で歌われるようになったとき、もと歌の歌詞にある「五城楼」を「益岡城」に替えました。その他はもと歌と同じ歌詞のままです。
勝利の歌 |
一、 肥馬鞭打たせ 緩かにも
敵の牙城に 寄るは誰ぞ 秋水一度 閃けば 君は無人の境行く (戦い勝てり 美酒を酌みて 称えん君が御名 光涼しく 月照れば 喜びに満つ益岡城) 二、秋の最中の 野の風に
乱れて伏すや 醜草の 定め果てなし 敵の陣 紅蓮の旗は 地に伏しぬ (繰り返し) 三、ああ我れ勝てり 我れ勝てり 夕闇迫る 菱が崎 誉れの大旗 打ち振りて 称えん 今日の大勝を (繰り返し) |
>> 楽譜(pdf形式) (出典:『白高百年史』) |
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